Baby Driver ~音楽,映像,ストーリーと女優さん~

品川のTジョイシネマに初めて行く

菊池成孔が絶賛していたので,観に行くことにした.
Tジョイ系列のシネコンでしか上映していなかったようで,近くだと大泉,新宿が候補だったんですが,結構遅い時間にしか上映していなかったので,初めて品川の映画館に行きました.
品川も様変わりしました.港南口はオフィス街ということもあり時々行きますが,高輪口は駅前の通りの近くをウロウロする程度しか知りませんでした.
高輪口を少し西にいくとプリンスホテルがあり,そのちょっと奥,っていう程ではないですが,その近辺にありました.テラス席のあるレストランが幾つかあって,美味しそうでしたが,高価そうだったので,肉料理の店で簡単に早めのご飯とビールを食べて,11:50の上映にまにあいました.

音楽と映像と演劇の融合

大したことのないイントロになりましたが,映画はかなり良いものでした.
2/3位のところで少し中だるみな感じがあり,アクビがでたこともありますが,まず冒頭の銀行強盗シーンで,音楽と映像とストーリーの見事なシンクロ・融合を見せてくれて,この映画がなにを語るのかを明確に提示してくれます.
強盗シーンの後の,主人公を執拗に追いかける長回しのシーンでは,映画に対するなにかオマージュのようなもの感じさせますので,音楽にかなり比重を置いているものの,映像・ストーリーの融合した映画という表現手段について作者の思い入れのようなものも感じさせてくれます.
新しいミュージカルの作り方としてリファレンスになるように思いました.
そういえば,登場人物が歌わないけど,これはミュージカルだなぁと思った映画はこれが最初かも知れません.
登場人物が歌っていないということは,実は書きながら気がついて,ちょっと自分の中でもビックリしています.​

Lily Jamesにちょっとキュンとする

二人女優さん(チョイ役な人は除く)が出てきますが,どちらもかなり美人さんです. Eiza Gonzalezさんは,映画.comをみると本作がデビュー作のようですが,セクシーさ全開の美人さんです.

モデルさん出身なんですかね.
もう一人は,Lily Jamesさん.画像を検索してみると,思ったより大人びた感じの画像が多いですが,Instagramに載っていた


この制服姿が,萌えます.

ちょっと脱線しましたが,良い映画でした.
WoWoWで放送されたら,まちがいなく録画して,もう一回見て,BDに入れて保存版にします.

ダンケルク~二時間銃声をずっと聞き続ける~


クリストファー・ノーラン監督作

新宿のTOHOシネマズで観る.公開初日.原題はそのまま,”Dunkirk”.今年のアメリカ映画.
舞台がフランスで,登場人物が英国人だし,戦時中ということもあり,正調なイギリス英語のオンパレード.
全編.銃声・爆発音で塗り固められています.音楽(というか効果音?)も面白かった.音楽は,ハンス・ジマーという方が担当のようですが,映画.comで調べてみると,かなりのキャリアのようです.
戦争映画だから沢山人が死にます.でも,死に様をあまりグロテスクに描きません.一気に吹き飛ぶ感じで,亡くなっていくのが,却って恐怖を煽ります.
敵(ドイツ兵)が全く登場しません.見えない敵に攻撃され続けるという恐怖を煽ります.
映画の作り方が巧いなぁと少し感心します.
良く考えてみると,クリストファー・ノーランの作品って,なにかこういう徹底した映像体験ができるというのが共通項のような気がしました.

ということで復習してみる


クリストファー・ノーランのデビュー作でしょうか?結構印象に残っています.
この映画も,健忘症という主人公の特徴と,ストーリーが繰り返しリフレインされるという,”徹底する”という美学があるような気がします.この映画も面白いです.

あぁ,この映画もクリストファー・ノーランの作品だったのですね.
アル・パチーノが不眠症の刑事役でした.ストーリーは正直あまり覚えていないですが,メメントと同様,不眠症ということで意識が朦朧としてくるのを,観客に追体験させてくれる良い映画でした.

バットマン映画にしては,変な作品だなぁとは思っていましたが,やっぱり変な人の監督作だったんですね.
ここまで,割りと小規模なインディペンデント系の映画の旗手みたいな扱いだったのが,この辺りから商業映画って奴にも手をだすようになったことになりますが,結局枯れの持ち味の”徹底する”・”観客を作品に巻き込む”というテクニックを持っているんだなぁと思う.

この映画もバットマン映画にしてはちょっと変でした.でも,もうそろそろ違うテイストを,監督自身も思ったのかも知れません.
ということで,今回のダウンケルクでした.

でも2時間銃声・爆撃音にされされ続けると,人間は疲れるということが実感できます.
そういういえば,船底に閉じ込められて銃撃されるシーンは,息を飲みます.
ちなみに,ケネス・ブラナーが出てきます.

シークレット・アイズ~ハリウッド女優の底力~


なかなかのハリウッド映画

2015年のアメリカ映画,原題は”Secret in Their Eyes”


こちらの映画にリメイクになるんだそうです.なんとアルゼンチン映画.別に嫌いなわけでもなく,そういえばアルゼンチン映画って観たことないです.
こちらのアルゼンチン映画の英語のタイトルをそのまま使っているようです.
ハリウッド映画は,どうも最近こういう外国映画のリメイクものが増えたような気がします.統計取ったわけではないですが.
というか,外国映画のリメイクもの方が質が高い印象があるせいでしょうかね?
アメリカの人だから,外国から脚本を買ってくるのにそんなに変な本を買うわけもなく,まぁ当たり前と言えば当たり前です.

でもリメイクものにしてはかなり良い部類です.多分,ジュリア・ロバーツとニコール・キッドマンの二巨塔女優の揃い踏みだったせいだと思います.

お二人のこれまでと今回

ジュリア・ロバーツ


デビュー作でしょうか?まだ学生だったころに観ました.ベタベタなラブ・ロマンスものですが,大柄なオードリー・ヘップバーンといえば良いのでしょうか?笑顔が強烈に可愛かったです.

一気に時間が空いてしまいますが,正直この映画ができるまでは,彼女は不遇な時間を過ごしたんではなかろうか?彼女の出ている映画で思い出せる作品がないっす.Wikiに作品の一覧がありましたが,なんかあんまり印象がないですね.
巧い役者さんなのかも知れません.キャラが前面にでなくて着実にストーリーのなかに溶け込める感性があるような気がします.
このシークレット・アイズでも,娘が殺された女性刑事(検察?)役で,ストーリーの主要な役ではありますが,抑え気味な演技と娘が殺されて号泣するシーンと,ラストの冷徹さのギャップを淡々と演じる力は結構良い印象です.

ニコール・キッドマン


この映画の印象は強烈ですねぇ.流石にキューブリックです.
ニコール・キッドマンは,人工的な美形顔で,どうもエッチ・性的な感じがにじみ出てしまいます.
まぁ,顔や姿という天性のものを実に上手く活用しているのかも知れません.そういう意味では巧い役者さんだなぁと思います.
この映画でも,ブラウスの中を覗き込む容疑者を威嚇して,自供させるっていう,なんとも味なセッティングのシーンを,その美貌とエロさ加減を最大限に活用して演じきります.

ハリウッド女優って,少し差別用語的な使われ方をすることが多いような気がしますが,映画や脚本を上手くやると,こんなにも存在感を活用できるんだぁ.と思う次第です.

帰ってきたヒトラー


久々のドイツ映画

2015年のドイツ映画.ドイツ映画ってあまり観たことがない.


位かな?とも思ったけど,

これはどうもドイツとアメリカの合作映画だった模様.ピーター・フォークも出てくる位だからかなぁ.
ということでドイツの映画でした.全編ドイツ語のセリフがちょっと新鮮でした.

気合の入った映画

以前なにかのドキュメンタリーかなにかで,ドイツの学校では先生の質問に対して生徒が手を上げることがないのという話が出ていました.
ナチス・ドイツの敬礼を想起させるためだからとのこと.
ドイツにとってヒトラーとはなにかそういうタブーのような位置づけなのかも知れません.
今でこそフランスと蜜月な関係になっていて,EUの盟主のような立ち位置を確保していますが,ナチズムを放棄していることを諸外国にどうやって納得させるかは,前の大戦が終わってからのドイツにとって最大の命題(試練)だったのかも知れません.
夏になると,飽きもせず靖国神社に参拝して隣国から顰蹙をかう某国とは大きく違います.

この映画は,そういう国が作ったと思うと,結構感慨深いものがあります.
登場する一般市民と思われる人達が,目の部分を黒塗りにされていたりする人と,そのまま顔を移されているひとと別れていたりします.ドイツの人にとっても戦後が70年以上になり,移民問題・格差・テロ等と見た目の変わった(本質はあまり変わっていないような気がする)社会問題に直面すると,ヒトラーというタブーの扱いも変わってきているような印象を持ちます.
ヒトラー役の人にやり込められる政治家がでてきたり,2015年でまだルペンもそんなに存在感があった時代でもないのに,ルペン自身の映像が使われていたりして,監督の思い(危機感?)が作品に込められているような気がします.

フランスは幸運なことにルペンじゃない人を選びましたが,アメリカの(世界の?)不幸はまだまだ続きます.
2015年の映画だし,原作はもっと前に出来ていたのかと思うと,作者の慧眼には少し驚かされます.
また,これだけドイツ中の都市を回って,色んな”ナマの””今の”ドイツ人を,ヒトラーを通じて描いた監督にも感心します.

Dancer in the dark ~ビヨークの芸術~

Dancer in the dark
Dancer in the dark

​もう,名作です.
素晴らしい映画.
2000年のデンマーク映画.原題は英語で”Dancer in the dark”

低解像度のセピア色の映像と,テクニカラーな映像の対比

少し古い映画のせいか,監督の意図か,分からないが,全体に低解像度な画像.
大きく分けると2種類の映像があって,セピア色がかった映像と,少し古いミュージカル映画のテクニカラーな映像.
主人公(ビヨーク)は目が見えないという設定ということもあり,現実の方がセピア色で,主人公の空想のミュージカルシーンの方がテクニカラーという使い分け.
現実の方がセピア色というのがなんともシニカルな感覚を与えてくれますし,逆にミュージカルシーンの現実逃避感を上手く対比させているように感じます.

ミュージカルシーンが圧倒的

主人公は目が見えない.あるいは見えなくなりつつあるという設定.
困難なことに直面して,日常のちょっとした音にリズムを感じると,辛い現実から逃避してミュージカルシーンになります.
よく出来たダンスシーンが多いです.
主人公に殺された男性とDuoで踊るシーン.その奥さんと絡みながら踊り歌うシーン.
この映画の中のセリフでも言われていますが,ミュージカルってなぜ登場人物が”突然”踊ったり歌ったりするのか理解できないことがありますが,この映画の場合は逆に説得力を持っています.

My Favorite Things

何度かこの曲が入ります.冒頭あまり上手くない市民ミュージカル(?)のリハーサル,監獄の中で主人公が一人もがき苦しみながら歌う.
コルトレーンに聴かせてみたい.
”サウンド・オブ・ミュージック”が出典になる曲ですが,明るい曲調の割には実はマイナーのワルツ.
トレーンもそういう悲哀というか,現実逃避感みたいなものをこの曲に感じたのかも知れません.
それにしてもビヨークは歌が上手い.

ストーリーも素晴らしい

ラスト近くでカトリーヌ・ドヌーヴとビヨークの会話のシーンが刺さります.
主人公は子供の目の手術のために,苦労してお金を貯めていたわけですが,大家の男性にお金を奪われたので,殺害してしまい,裁判で死刑になってしまいます.その経緯を知ったカトリーヌ・ドヌーヴは減刑のために再審を請求しようとするのですが,その費用が子供の手術代と同額.
主人公はカトリーヌ・ドヌーヴからの申し出を断り,死刑になってしまいます.カトリーヌ・ドヌーヴが尋ねます”なぜ(目の疾患が)遺伝すると分かっていて子供を産んだのか?”.主人公ビヨークは,”抱きしめたかった”と答えます.
う~~ん,凄い映画です.