映画:ロバート・アルトマン

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特徴かなと思ったこと

群像劇がお好きな方のようです.
群像劇というと”Grand Hotel”という作品が古典だとどこかで聞いたこともあり,確か”Grand Hotel”も過去に観たことはあるが,何分古い映画でもあり,登場するスター役者さんたちがいまいちピンとこないなぁという記憶しかない.
群像劇というと,三谷幸喜の映画もまぁそういうカテゴリなのかも知れないけれど,ロバート・アルトマンの作品は基本皮肉っぽい感じがするので,笑わせてくれたり,泣かせてくれたりという作品ではないような感じがする.
ちょっと,機嫌の悪い時とか,ストレスが溜まった時とかに,彼の作品を選ぶと良いのかも知れない.
あと,以下で観た範囲ないでは必ず,レポーターと思しき役の人が必ず登場する.
映画自体がスクリーンで展開される状況を観客が覗き見しているわけですが,その作品の中にもう一人(一団)の傍観者がいるというのは少し違和感を感じる.それほど重要な役回りではないところからすると,やはり何か皮肉めいた表現なのかもしれません. 2006年にお亡くなりになっています.

観た作品


1978年の作品.
少し古い映画のせいか,登場する役者さんは初めて見る方ばかり.
登場人物が多いので,途中まで何の話なのかあまり良くわからないが,段々と一人ずつの人となりがわかるようになって,その人間関係の複雑さも読み解けていく.このあたり,この監督さんの共通的な手法なのかもしれない.
ドタバタ劇の挙句,祭りのあとのなんとかみたいな感じで,三々五々と登場人物が消えていくのが,少し味わい深い.

1975年の作品.
なぜかわからないけど,カントリー・ソングって基本嫌いなので,ほとんど聴きません(例外はBill Frisell位かな?でも彼はカントリーなのかな?).この映画の2時間で僕の一生分位はカントリーを聴いたような気がする.
ナッシュビルという土地には行ったことがないが,どうも田舎臭い.
スタージンガーが帰郷するところから始まり,ラストではステージ上で観客に撃たれる,デビューしようとしていた新人シンガーは場末のステージでストリップをさせられる.という感じで終わります.
音楽産業というかエンターテイメント産業を皮肉っているのかもしれません.

1992年の作品.
やっと知っている役者さんが登場する,覚えている範囲で,ティム・ロビンス,ウィー・ピー・ゴールドバーグ等.ラスト近くの劇中映画で処刑になる役をジュリア・ロバーツが演っている.
ティム・ロビンスが殺人を犯してしまう前に,殺され役の人と飲んでいたのが,カラオケ・バー.冒頭の長回しの(結構長い)のシーンでも日本人と思しき一団が出て来る.
ちょうどバブルの時期で,ソニーが映画会社を買収した時期なので,今でいうと,日本人が中国人の爆買いに眉をひそめているような感じでアメリカ人も日本人を眺めていたのかも知れない.と思うとちょっと恥ずかしい.
なかなか良い.よく出来ている.
ティム・ロビンスが正体不明な人から脅迫を受けている,売り込まれた脚本を無視した脚本家からの脅迫だろうと勘違いしてある人を殺害してしまう.
その他諸々のエピーソードがあるが,結局殺害した人の恋人と結婚して幸せになりましたが,そこに電話がかかってきて,ティム・ロビンスの一連の行動を脚本にして売りたいと大本の脅迫犯から告げられる.という感じ.
こういう再帰的なストーリー展開が結構好きです.

1994年の作品.
この作品もファッション業界を皮肉っている感じがする.マストロヤンニとソフィア・ローレンがでてくる.
ここまで来ると結構出演者の役者さんが分かるようになります.あとの自伝映画でしりましたが,初期のアルトマンの作品は無名の新人(というかアンダーグランドな演劇畑の俳優さんを使っていたそうです)は少なくい.
どのシーンがどう皮肉なのかはうまく指摘できないけど,ファッション関係の人たちのナッツさ,同性愛,虚栄をよく表現できている良い映画だったと思う.
裸の女性が一気に出てくるファッションショーというのは,まぁすごい. これもアルトマン一流の皮肉表現な気もする.
そして,最後が伝記映画.
そういえば,”M*A*S*H”をとった監督さんだったということを思い出す.
テレビ出身だったんですね.でも,結構アクの強い方だったようで,”The Players”の冒頭の長回しや,群像劇で複数の人が同時に喋るという演出は当時割りと画期的だったとのこと.
でも,そういう映画の演出や撮影のテクニックよりは,上で観た作品に関しては,なにかアイロニカルというか,少し社会を斜に構えて見るような視線がユニークさだったり,特徴だったりするのかもしれません.
心臓移植で少し長生きして,アカデミーの名誉賞を受けましたが,最後はガンで,2006年没.

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